2017年6月9日
あおば
絆、そして看取り
私たちのグループホームでは、開設当初より看取りをしています。その理由は、認知症という病気でご自分の意思をどんどん伝えにくくなっている終末期に転居することは、当事者様にとって大変な苦痛であると考えるからです。そしてもう一つの理由は、看取りは特別なことではなく、連続した毎日の介護の最期の時間だからです。その最期の介護を放棄することは、介護職にとっても介護が完結することなく中途半端に終わってしまうと考えるからです。
５月にある利用者様とのお別れがありましたので、その事例を振り返って見ます。
ご自分が入居する以上に親の介護保険施設の選択に、ご家族様は心を砕かれていました。転居自体が大変なリスクとなりますが、あおばへの転居を決心されました。安心して暮らせているのか、ご家族様はほとんど毎日面会にこられ、また遠方のご親族様もよく訪問してくださいました。ご利用者様が徐々に明るくなられるにつれ、、ご利用者様をはじめご家族様・ご親族様と私たち介護者と信頼関係が築けたと思います。終末期に入ってからは、ご本人の意思を最大限に尊重し、医療と介護の受け方について皆で検討し、「延命はせず、あおばで看取る」という方針で介護をしました。「寂しい、寂しい」が口癖だったご利用者様に寂しい思いをさせないようにとご家族様・ご親族様は何日もあおばに泊まってくださり、ご家族様にベッドを囲まれて穏やかに息を引き取られました。長男様より「あおばさんで見取りをしていただき、よかったです、ありがとうございました。」とお言葉を頂戴し、思わず「もう少し、早く出会いたかったです。」と言葉が出ました。利用者様の暮らしの支援と死への準備期を介護者としてしっかり受け止め、介護できたことを誇りに思います。介護していてよかったと感じる瞬間です。
浜松市北区グループホーム うぇるケアホームあおば 畠 ＆ 大庭